「to」と「for」の違いに悩む人へ
「to」と「for」
どっちを使えばいいんだろう?
英語の「to」と「for」はどちらも「~へ」「~のために」と訳されます。
そのため、使い分けに悩む時がありますよね。
しかし、使い方には明確な違いがあります。
例えば、「I gave a gift to her.」と「I bought a gift for her.」の違いを説明できますか?
どちらも「彼女にプレゼントをあげた」と訳されますが、意味のニュアンスは異なります。
そこでこの記事では、「to」と「for」の根本的なイメージを理解し、ネイティブの感覚に近づけるように分かりやすく解説します。
どちらも「〜へ」「〜のために」と訳される理由
日本語の「〜へ」や「〜のために」という表現は、とても広い意味を持っています。
そのため、英語では別の言葉として使い分けられる「to」と「for」が、同じように見えてしまうのです。
「to」は“到達点へ向かう動き”を表します。
一方で「for」は、“誰かの目的や利益のための行動”を表す言葉です。
でも日本語にすると、どちらも「〜に」「〜のために」となってしまいます。
このため、違いが分かりにくく感じるのです。
つまり、訳で覚えるのではなく、英語そのもののイメージをつかむことが理解のカギになります。
「目的」と「方向」のイメージの違いをつかもう
「to」は、「ある点へ向かう矢印(→)」を思い浮かべてみましょう。
何かが“動く方向”や“届く相手”を示すときに使われます。
一方で「for」は、“誰かのために行動する” という気持ちを表す言葉です。
つまり、「目的」や「思いやり」が込められた表現です。
たとえば、「I made coffee for you」は「あなたのためにコーヒーを淹れた」という優しいニュアンスになります。
このように、「to=方向」、「for=目的」と考えると、感覚的に自然な使い分けができるようになります。
「to」と「for」の違いを比較!

「to」と「for」の違いを表にしてみました。
| 意味 | to | for |
|---|---|---|
| 方向・到達 | I go to school.(学校へ行く) | ❌ |
相手に何かを伝える | I explained it to him.(彼に説明した) | ❌ |
| プレゼント・提供 | I gave a gift to her.(彼女にプレゼントをあげた) | I bought a gift for her.(彼女のためにプレゼントを買った) |
| 利益・目的 | ❌ | I made coffee for you.(あなたのためにコーヒーを淹れた) |
| 理由 | ❌ | I was praised for my hard work.(努力を称賛された) |
このように比較すると、違いが一目瞭然で分かりやすいですね。
「to」の基本イメージ → 「方向・到達」

「to」の基本的な意味をイメージづけしていきます。
「to」は、動作や物が “ある地点・人へ向かう” ことを表す
- 場所や方向を示す(〜へ向かって)
- 相手がいる場合(~に対して)
- 「to不定詞」
以下で例文と一緒に見ていきます。
場所や方向を示す(〜へ向かって)
「to」を使うと、「出発地点 → 目的地」の流れを思い描くことができます。
向かう方向を示しています。
引っ越す方向を示しています。
彼のいる方へ手紙を送るイメージです。
相手がいる場合(~に対して)
「to」を使うことで、「情報・感情・物」が相手に向かう様子を思い描くことができます。
「彼は私のことを思って(私のために)問題を説明した」と言いたい場合は、「He gave me an explanation about the problem for me」と言うことができます。
友達の「ために」ではなく、友達に「対して」紹介してくれた、という方向をイメージできます。
彼女の「ために」謝ったのではなく、彼女に「対して」という方向がイメージできます。
to 不定詞
「to+動詞の原形」は「〜するために」と未来志向の動作を表します。
これを「to 不定詞」と呼びます。
「for」の基本イメージ → 「利益・目的」

「for」の基本的な意味をイメージづけしていきます。
「for」は、行動や物が “誰かの利益・目的のため” にあることを示す
- 「~のために」
- 理由を表す(〜の理由で)
- 「~にとって」適切・有益である
以下で例文と一緒に見ていきます。
「~のために」
「for」は、「誰かのためにすること(benefit)」を表しています。
誰かに対しては「利益」になることです。
「あなた」にとっての利益は、「プレゼント」です。
「家族」にとっての利益は、「夕食」です。
もっと言えば、「夕食を作ってもらえること」ですね。
「私」にとっての利益は、「バックを持ってもらうこと」です。
理由を表す(〜の理由で)
「for」は、行動の理由・原因を説明しています。
「努力」のおかげで、賞賛されることになりました。
「遅刻」が理由で、罰を受けることになりました。
「助けてくれたこと」を理由に、感謝を表しています。
「~にとって」適切・有益である
「for」は、誰かにとって有益なものを説明していることがあります。
「初心者」にとっては、有益なものだと言っています。
「あなたの健康」のために、運動は有益なものだと言っています。
「私」にとって、「海外で勉強すること」は、有益な経験だったと言っています。
実践!理解度クイズ!「to」or「for」?

以下のカッコに入る正しい前置詞を選んでください。
1️⃣ I sent a letter ( ) my friend.
2️⃣ I bought a cake ( ) my mother.
3️⃣ He explained the rules ( ) us.
4️⃣ Thank you ( ) your support.
5️⃣ I moved ( ) a new apartment last week.
答えはこの記事の最後に♪
まとめ「to」と「for」の簡単な覚え方
最後のまとめです。
「to」と「for」の簡単な覚え方
✅ 「to」 → 目的地・相手に向かう動作(方向・到達)
✅ 「for」 → 誰かのための行動・理由・利益
ここまで読んでくださった皆さんは、もう完璧!
明日から迷いなく使えますね。
最後にクイズの答えです。
✅ 答え
1️⃣ to(手紙を「友達に」送る)
2️⃣ for(「母のために」ケーキを買った)
3️⃣ to(ルールを「私たちに」説明した)
4️⃣ for(「サポートしてくれたことに」ありがとう)
5️⃣ to(「新しいアパートへ」引っ越した)
どうでしたか?
間違いがあれば、もう1度この記事を読んでみてくださいね。